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前々回、前回と具体的な竹割の方法を書いてきました。
今回は、なぜ、そこまで等幅で設定幅で割る事、後から修正をしないで割る事にこだわるかを説明して竹割の工程の説明をまとめたいと思います。

まずは等幅で割る理由です。

なぜ、出来るだけ設定幅で等幅に割らなければいけないのか?
理由は簡単です。この後の工程の曲げ取りが難しくなってしまうからです。勿論、設定幅で等幅に割れれば、竹が効率よく使えるという利点も大きいのですが、それ以上に曲げ取りをやりやすくするというのが一番大きな理由です。

今までのセオリー通りに竹割をしていくと、ある程度慣れればそこそこ等幅にはなるものの少し太めに割れてしまうのが難点でした。
竹辺が太ければ太い程、曲げ取りには無駄に力が必要になり、より熱を入れて曲げを取る必要がでてきます。竹は熱を入れる事で強くもなるのですが、入れ過ぎると脆くなってしまいます。曲げを取ってから火入れの工程でしっかりと熱を満遍なく入れる為にも、曲げ取りの時に熱を入れ過ぎるのは避けたいのです。
なので、出来るだけ必要な最低限の幅で割る事が必要になってくるのです。
竹割が苦手なビルダーさんは、失敗して使えなくなる事を避ける為に必要幅よりも少し太めに割っておられる方もいらっしゃる様ですが、そんな事をしてあとの一番大事な工程である曲げ取りのしにくさを増していたら何の意味もありません。そんな保険をかけるくらいであれば完全に失敗せずに割れる様になるまで練習する方が確実に竿の精度は上がる筈です。
最悪、少し太くてもしっかりと等幅に割れているとまだいいのですが、少し太い上に等幅で割れていないとどうなるか?
曲げ取りの時に竹辺の幅が毎回違うと一定の熱の入れ方で曲げを取る事ができなくなります。毎回、熱の入れ方を変えなくてはいけないのでリズムが狂ってしまい精度を落とすことになりかねません。どんな太さでもちゃんと曲げ取りできるのがプロだと仰る方もいらっしゃるかもしれません。勿論、できなくてはいけませんが、ちゃんとどんな太さの竹辺でも曲げ取りをできる人間でも一定の出来るだけ細く等幅で割ってある竹辺を曲げ取りするのと、少し太めで尚且つバラバラの太さで割ってある竹辺を曲げ取りするのとでは、どちらが正確に精度を保って曲げ取りできるのかは明らかです。
最近は放置竹林等も地域によっては沢山あるので、努力をすれば使えない種類でも竹を手に入れる事は意外と簡単です。どんな竹でも割る練習には使えますので(竹の種類によって割る感覚は少しずつ違うのですが、基本は同じなので練習にはなります。)できるだけ沢山の竹を割って、できるだけ細く等幅に割る練習をしてみてください。竹割の説明の最初でも書きましたが後の工程の出来が絶対に変わってきます。僕も割れる様になるまで、かなり沢山の竹を割って練習しました。ある程度以上の数を割る事で自然とコツが掴めてくる筈です。数本、割ってみて出来ないと諦めず割れる様になるまで頑張ってみてください。

次はなぜ修正を入れてはいけないのか?

これは、竹の繊維を切ってしまわない様にする為です。
竹を「割って」いる分には竹の繊維はほぼ切れません。前回の説明通りに半割をしていればほぼ竹の繊維なりに割れている筈です。(他の方法でも竹の繊維なりに割る方法はありますが、全く繊維なりに割れない方法もいくつか紹介されています。どれがどうとは書きませんが、知りたい方は自分でいろいろ試してみるのも良いかと思います。)
ただ、太さがバラバラに割れてしまい(もしくは途中の割りの修正を入れすぎてしまった場合)後から「削って」修正をしてしまうと、簡単に繊維は切れてしまいます。
なぜ繊維を切ってはいけないのか? それは、強さの為と、感度が落ちてしまう原因にもなってしまうからです。
竹竿は繊維が竿尻から竿先まで繋がっている事で、抜群の感度をほこります。下手なカーボンロッドよりも手元にくる感度は良い位です。それなのに繊維を途中で切ってしまうとその抜群の感度を落とす事になりかねません。繊維が途中で切れる事でそこから折れの可能性まででてきてしまいます。(厳密に言うと竿はテーパーがついていますので先に行くにしたがって繊維は少しずつ切れてはいくのですが。。。)
ただし、これもちゃんと半割が出来ていれば後から修正を入れる事はありえませんので、やはり先ずは半割で綺麗に割れる様に練習をしてください。

竹割ひとつとってもこれだけ書いて、まだまだ言い足りない事がある位なのですが、それだけのレベルで作っているからこそのプロなのだと思っています。
アマチュアの方でこれから作って見ようと思っている方がこのブログを読むと「やっぱり難しすぎるからやめようかな。。。」と、思ってしまわれる方もいらっしゃるかもしれませんが、とりあえず自分で使用する竿を作るだけであれば、ここまで拘わる必要も無いと思います。実際、拘らなくてもちゃんと竿の形にはなりますし、充分以上に使える竿も出来上がります。ただ、プロで販売している人間がどの位こだわっているかを知っておくのも大切かと思います。
もし、これから竿を作って販売しようと考えるのであれば、ここで書いてある事は最低限できなくてはいけない事だとも僕は考えています。
ご自分のレベルに合わせて、その時出来る最大限の注意を払って作業を行ってみてください。必ず結果は伴ってくると思います。

これで「竹割」の工程の説明は終わります。次回は「節落とし」について書きたいと思います。