DSC02077

第4回は「材料の選び方」です。

皆さんバンブーロッドの材料が竹というのは勿論お解りだと思いますが、どんな竹の種類を使っているかはご存知でしょうか?

ある程度以上、詳しい方であれば当然ご存知だと思いますが、トンキンケーンという中国産の竹を使うのが最もポピュラーとなっています。竹竿全盛期の頃の竹竿は、ほぼコレ一択という感じでした。ただ、いろいろな理由から最近はトンキンケーン以外の竹を選択するビルダーさんも増えてきています。(僕もトンキンケーン以外の竹を使う一人です。)トンキンケーン以外でよく使われる代表的な物が真竹です。和竿の穂先等に使われる事でも解る様に竿作りに向いている竹の一種です。(厳密にいうとややこしくなるので、向いている向いていないだけで説明していきます。興味のある方は、書籍等で調べてみてください。なかなか面白いですよ〜!!)

Uokarodでは、主に京都産真竹を使用しています。僕の場合は、京都育ちという事もあって子供の頃から竹屋さんと父親の仕事関係でお付き合いがあった事もあり、自然と京都産の真竹を使用する様になりました。製作を始めた頃はトンキンケーンでも並行して製作していたのですが、僕が理想とするアクションには真竹の方が向いている事もあり、今は真竹のみを使用しています。

ここでトンキンケーンと真竹の性質の違いを説明しておきます。自分の作りたい竿がどんな竿かをよく考えてどちらの竹を使用するかを考えてみてください。
*他にも竿作りに使用する事のできる竹は数種類あるのですが、僕が実際に製作して性質を把握できているトンキンと真竹のみの説明を致します。

先ずトンキンケーンの性質として、一番の特徴は「頑丈な強さ」になります。
バンブーロッドにはパワーファイバー層という表皮に近い部分にある竹の中のもっとも強い部分を使用するのですが、このパワーファイバー層の繊維の太さが真竹と比べて圧倒的に太いです。その太さゆえ良いパワーファイバー層を持つトンキンケーンはとても重く頑丈です。(最近はなかなか手に入りにくかったりもするのですが。。。)そして節の低さも特徴の一つとなります。その低さゆえに曲げ取りは、強さゆえに力はいりますが(真竹と比べると)比較的楽に行えます。

真竹の性質の一番の特徴は「靭やかさ」になります。
トンキンケーンと比べるとパワーファイバー層の繊維の太さが明らかに細いです。その細さ故に竹の重量はトンキンと比べてとても軽くなります。節の高さはトンキンケーンと比べるととても高くロッドに仕上げる際にとても苦労する原因となっています。曲げ取り時に繊維の細さゆえに少しの力で曲がりが取れるのですが、完璧に曲がりを取ったつもりでも少し時間が経つとまた戻ってしまっていたりする強情さもあります。ただ、ロッドに仕上げた時にとても軽い事に加えて、ある程度以上曲がった所からもう一段曲がり込んでくれる強さが真竹の良い所だと思います。

例えて言うならトンキンケーンは「太い針金」の様な強さで、真竹は「ピアノ線」の様な強さと言うと解りやすいでしょうか?
同じテーパーでトンキンケーンと真竹で竿を仕上げると、トンキンケーンで作った竿は、明らかにパワーランクが一つ上の竿になります。そして頑丈で良くルアーが飛んで行く竿に仕上がります。真竹の竿はトンキンケーンで作った竿と比べると軽く靭やかな竿に仕上がります。先端重量もトンキンの竿よりも軽い為、振り抜け感も真竹の方が良くなります。ただ、やはりトンキンと比べると弱い為、テーパー設計が悪いとグニャグニャなだけの竿になってしまいがちなのも真竹の竿です。

ここまで書いている事を読んでいるとトンキンケーンの方が六角竹竿には合っているのがお解り頂けると思います。では、何故トンキンケーンを使わないか?
それは、綺麗なトンキンケーンが手に入りにくくなったのが一番の原因となっています。中国で生産管理している事もあってかとても傷やシミの多い竹が多く、綺麗な物はなかなか手に入りません。選ぼうと思うと個人で輸入するしか無く、コンテナでの輸入となるのでとんでもない数を購入しなくてはいけなくなります。専門店さんが頑張って輸入して下さっているのですが、残念ながら関西方面で選べる程の在庫をもっておられるお店が無く、今現在は僕は通常では使用しておりません。(前回、紹介したLEONさんでは、かなりの数を輸入されている様なので確認しにいくのも手だと思います。)
ただ、個人で使用する竿を製作する分には傷さえ無ければちゃんとした竿を作る事は可能なので、オススメできる竹である事に変わりはありません。

それに対して真竹は比較的綺麗な物が手に入りやすい環境があります。特に京都は昔からの竹屋さんが多くあり、管理された竹藪から切り出してきた真竹を確かな技術で油抜きを行って(竹に含まれている油分を抜かないと竿には使用できません)販売しておられます。勿論、自分で切り出してきて(勿論、管理されている方に断ってです)油抜きを行うという選択肢もあるのですが、均一に油抜きをしようと思うと大掛かりな設備を使うか余程の熟練した腕が無いと均一に油が抜けません。京都産の物でも油抜きの方法によっては使用できない真竹もあります。その辺りは、色々と試してみると良いかもしれません。僕も使える真竹を選び出す為に何本の竹を無駄にしたか解りません(笑)
設計次第でグニャグニャなだけの竿ができやすい素材ではありますが、テーパーや加工方法を工夫する事によって、ただ柔らかいだけではなく「靭やかで強い」竿を作る事も可能な為、Uokarodでは真竹をメインに使用しています。

実際に竹を選ぶ時の注意点ですが、「できるだけ真っ直ぐな竹を選ぶ事」と、「出来るだけ節の低い物を選ぶ事」、そして「出来るだけ傷のない竹を選ぶ事」、「竹の根本部分でもある程度以上の節間の長さがある事」の4点を重視しておけば良いと思います。
*最初の内はどうしても解りにくいと思います。数を見る事で良し悪しも解る様になってくると思いますので、しばらくは勉強だと思っていろいろな竹を触ってみましょう。

どの竹も一長一短ありますので、自分が「どんな竿を作りたいか?」をじっくり考えて、素材となる竹を選んで頂ければ良いと思います。

*Uokarodではご希望であればトンキンケーンでの製作も承っております。但し、上記の様な状況なので完成品に若干のシミ等が残る場合はございます。ご了承下さい。